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「陰陽で見る食養法」 著:山口卓三

全体としては「食」がおろそかにされる傾向も進む中、
グルメを追い求めると同時に、
体・心の健康面への振り返りから、
少しでも良い食へ・・・食の根源へ帰ろうとする関心も徐々に高まりますが、

その中で、
ここ6・7年くらいでしょうか、マクロビオティックも関心を集めていますね。

この本は、
マクロビオティックを提唱された桜沢如一さんさんから直接多くを学ばれ、
出版当時の1986年には正食協会の代表理事でいらした
山口卓三さんが1986年に出版されたものです。

日本文化に根付く「陰陽」のお話から始まり、
第4章「東洋の食物観と西洋の栄養学」では、
西洋の栄養学が勧める「バランス良く」ということと、東洋の食物観に拠る「調和」の違いを説いておられます。

糖分・塩分や水分について、
また米・麦や豆類についてなどについても、
わかりやすく体・心との関連を解説されています。

話題は、西洋医学・東洋医学について触れたのち、
「いのち」についてへと進みます。

***** 引用 *****
 私たちのいのちは両親をはじめ、
 祖父母、曽祖父母と遠い先祖につながってきているものですから、
 いわば先祖の命が代々に宿って今日の私たちに生きているわけで、
 この命の流れの煮つまりを「宿命」とよぶのだと思うのです。
 私たちは、その「宿命」の最先端にある今の命を運んでいるのですから、
 現在の命のありようを「運命」とよんでいることになるわけです。
***** 引用ここまで *****

この本のまえがき部分で、
桜沢如一氏が著された「無双原理・易」について、
占いの易と一緒に見られると誤解される恐れがあると書いておられますが、
この辺りは、「易学」で基礎とすることと共通の定理ですね。

また、その「運命」、
もちろん自分の生き方により良くも悪くもなっていくことは言うまでもないことですが、
食事の摂り方も運命を大きく左右すると示されています。

そして、その運命を活かし目指す幸せについては、

***** 引用 *****
 ともかく、人類は動物と違って、どうしようもないドン欲を身につけてしまったのですから、
 もはやこれをなくするわけにはいきません。
 「欲を出すな」「欲を捨てよ」などとよくいわれますが、それは無理なことなのです。
 むしろ、私たちはこの欲をどのように生かしたらよいかに心を砕くよりほかに、
 幸せに生きる道はないというものでしょう。
***** 引用ここまで *****

と書かれています。「欲」の良い使い方も、
食によって影響を受けていくということだと思います。

マクロビオティックの本は、現在もたくさん出版されていますね。
何事ももちろん現在の時流に合う状態で受け継がれていくのは当然なのですが、
源のもの・源に近いところのものも、
むしろ新鮮である場合も多いと思います。

この「陰陽で見る食養法」は、重版されていたようで、
私が持っているのは、1991年の第5版です。
現在は、廃版となっているようですが、
中古のものなら、アマゾンのユーズドやブックオフなどなどで手に入ると思いますので、

生き方を食から考えてみたいなぁという
興味のある方はぜひ読んでみて下さいませ☆
by kyoto-kanya | 2010-03-04 23:54 | 書籍・雑誌


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